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1 「貸し倒れるような売掛金をつくらない」
そもそも、「貸し倒れるような売掛金をつくらない」、これが、一番の回収法です。
とにかく、相手にお金がなければ回収はできないのですから。普段から、「貸し倒れるような売掛金をつくらない」、を目指して行動しましょう。
まず、相手先の情報を入手すること、4、5か月前から、危なそうな兆候を見つけることができれば、 @手形の期間を短くしてもらう。 A現金取引、または、半分以上は現金にしてもらう、など対策が、たてられます。
また、決断はいりますが、取引をやめることも、場合により必要です。 「自分が、その売掛金を回収しなくても、つぶれないのか?」、かなり厳しいなら、どれだけ付き合いが長くても、決断しなければ、いけません。
特に最近は、取引を始めてすぐに急に取引量が極端に増え、そのまま回収できなくなるというパターンの相談が多いです。
あまりに売掛金の金額が大きくなるのであれば、いくらかは現金であるいは、保証金をもらうようにしないと危険です。
また、負担が大きいのであればお断るのも方法です。特にネットからの大口の注文は注意が必要です。
2 取引先の危険な兆候
@自己振り出しの手形が多くなった。
A手形の期間が長くなった、先日付け小切手をきるようになった。
B大手の取引先、取引銀行が変わった
C取引先の倒産
D急に取引量が増えた。
E在庫が急に増えた、あるいは、減った
F過大な設備投資。
G社員の入れ替わりが、激しくなった。
H中心的な社員がやめた。
I不動産の売却をした。
J債権譲渡があった。売掛金に担保が設定された。
K手形の決済期日の延期(いわゆる手形のジャンプ)。
L他社や銀行から、役員が入ってきた。
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手形金額が丸くなる(金額が100万円など、きりのいい数字になること)のは、融通手形の可能性が高いです。 実際に取引があれば、なかなか、そのような金額には、ならないからです。 また、今までは、取り先自身は、手形を振り出すことがすくなかったのに、自己振りだしが増えたというのは、取引が少なくなって、自転車操業に落ちいっている可能性があります。
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A |
急に、取引量が増えた理由をキチンと、知っておくべきです。他の取引先が、手を引いた可能性があります。 計画倒産の可能性(取りこみ詐欺)の可能性もありますし、資金繰りのために、叩き売って、自己の資金繰りにあてている、のかもしれません。
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B |
不動産については、定期的に登記簿をあげてくることも、おすすめです。登記簿に、所有権移転の仮登記や、短期賃貸借の仮登記、代物弁済予約があるのは、危ないといえるでしょう。登記簿に、金融業者のようなかんじの名前があれば、とくにです。
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C |
債権譲渡をするということは、支払いが苦しいから、支払いに代えて債権譲渡をしということです。 他の取引先は、見切りをつけて、回収しているかもしれません。銀行の融資がもうない可能性が高いです。 また、債権譲渡が禁止されているもの(公共事業など)では、代理受領(委任をうけて、債権の弁済をうけて、自分の債権の弁済にあてるもの)の方法がとられたりします.。
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3 情報の入手
上で述べたようなことを見つけるためには、情報収集が欠かせません。
@金融機関からの情報 A営業担当 Bあなた自身
@金融機関は、取引先の資金繰りを数ヶ月先までよんでいます。よって、日ごろ得意先まわりに来た銀行員から情報収集は欠かせません。
A営業担当は、ただ単に御用聞きではありません。特に、取引先の雰囲気などはよく出入りする営業担当のほうが、気がつきやすいのです。営業担当の注意点として、取引先の危険な兆候も追加して自己防衛に努めましょう。
Bあなた自身も、日ごろから取引先の資金繰りにはなおいっそう注意を払いましょう。あなたが目を光らせれば、いろんな情報が入ってくでしょう。 |
債権回収アドバイザー
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